いくら熱心にサッカーを練習しても、方針が正しくなければ期待どおりの成果を得られません。ですから、どのような間違いがおおいのか事前にチェックしておくことが重要です。そう言われると、サッカーの教本を読もうとする人が少なくありません。たしかに知識として習得することも重要ですが、コツをつかみたいなら実際に体を動かすことが欠かせません。アマチュアスポーツとして行うなら、スキルを高めることよりも、まずは全身で感覚を養っていくことが重要です。日本のサッカー教育はさまざまな点で誤解を招きやすくなっています。それを理解したいなら、海外の一流選手をしっかりチェックしてみると良いでしょう。
日本人はサッカーは足だけで行う競技だと思いがちです。もちろん手を使ってはいけませんが、足だけに着目することも正解とはいえないのが実情となっています。海外の一流選手はボールをほとんど見ません。トラップするときが最も分かりやすく、ボールを見ることなく足元にフィットさせます。日本の選手はボールをまず弾いて、足を使って足元に落ちつかせようとします。両者の差として大きいのはどこを終着点に設定するかということです。海外の一流選手はトラップした時点で終了しており、すでに次のアクションを起こして前方を見ています。それに対して日本選手は、トラップしても足元に収めるまで初動が続くことになるのです。とても効率が悪く、スマートなプレイスタイルには程遠いです。
上達してから直せば良いと思うかもしれませんが、最初に体に染みついてしまうと改善することは困難です。これはトラップに限った話ではなく、ボールとの付き合い方という基本的な話です。したがって、最初のうちから1つの動作でボールを落ち着かせるように意識してください。たとえばゴール前でボールを受け取ったとき、確実にゴールを決めたいと思うでしょう。だからといって、シュートしやすい姿勢を整えていれば、ディフェンダーにクリアされてしまいます。そこで多くの日本人は、ダイレクトにシュートを打つという選択をしやすいです。たしかにディフェンスされる可能性は下がりますが、シュートの精度も低下してしまいます。
ここで正解になるのは最初のトラップで、最高の場所にボールを落とすことです。そうすれば、ダイレクトと同じスピードで精密なシュートが可能です。このため、トレーニングではファーストタッチを重視した練習をしましょう。細かなテクニックを見つけるのはその後で十分です。