国際柔道連盟はIJFの略称でも知られ、1951年に設立された国際オリンピック委員会加盟の国際競技連盟というのが概要です。更に国際柔道連盟を紹介すると、現在の本部はスイスのローザンヌに置かれており、かつてはロシアのプーチン大統領が会長を務めていたこともある団体です。本部は常設されないことになっていますが、事務局については事務局長が所在する国に設置されます。
元々は1948年にロンドンで結成された欧州柔道連盟がルーツで、1951年にアルゼンチンが加盟したのを機に、現在の名前へと改称しています。また、設立の翌年に全日本柔道連盟の加盟が承認されますが、1964年に柔道がオリンピック正式競技に認められるまで、地道な活動が行われてきました。2007年には、金メダリストの山下泰裕が理事選挙に立候補したことで注目を集め、残念ながら落選してしまいましたが、議決権を持たない指名理事に選出されています。
2010年にマラウイが加盟したことで、国際柔道連盟の加盟国と地域は200になりました。ちなみに、2011年に10月28日を国際柔道デーと定められましたが、この日は柔道の創始者で知られる嘉納治五郎の誕生日です。嘉納治五郎はIJFの殿堂入りを果たしている柔道家でもありますし、世界的にも一目置かれ尊敬を集める存在です。その為、国際柔道デーの決定にこれといった異論はなく、誰もが納得の結果になったと思われます。
国際柔道連盟は世界柔道選手権を始めとして、世界団体や世界ジュニア、世界ベテランズ柔道選手権と、様々な大会を主催しています。2009年からはIJFワールド柔道ツアーも主催大会に加わり、ますます活動に熱が入っている印象です。夏季オリンピックやパラリンピック、ユースオリンピック柔道の主管でもあるので、役割は大きく期待が掛かります。プロやアマチュアスポーツの区別は特にありませんが、国際柔道連盟は主にプロの大会を管轄したり、健全な競技を実現する為に活動しています。
ルールの制定もドーピング対策についても、主導して公平かつ公正に柔道ができる環境を整えているといえます。女子柔道選手権大会の主催も務めていますから、男子競技だけでなく女子競技にも強い影響力を持ちます。日本で生まれた柔道は今や世界的な柔道に育ち、加盟国が増えたことで管轄する団体の役割は大きなものとなっています。創立70年を迎えるわけですから、どのように組織作りをして柔道の文化を守っていくか、今後も目が離せない団体だといえるでしょう。